Entries

キュッとしてグー




      此世は自分をさがしに来たところ

      此世は自分を見に来たところ


                   河井寛次郎 『いのちの窓』




足るを知らぬ傲慢さではなく、温かい情に溢れた、限りなく前向きな言葉。
何かに真摯に向き合ってこそ生まれる、健康で奢りのない心。
豊かすぎて足元が見えなくなった昨今の “自分探し” というのとは、およそかけ離れた言葉だと思う。


北九州小倉に、行ってきた。
小倉城に寄り、庭園内にある美術館で陶芸展を観る。

 『土と炎の詩人 河井寛次郎』 

若い頃に、京都は清水寺のふもとにある寛次郎記念館へは行ったことがあるが、当時はなんとも重苦しい緊張感を伴っていたせいか、圧倒されはしたが、おそろしく遠い人のように感じて孤独だった。
思い出すと、胸がキュッとなる。
しかし今回はなんだろう、遠い地中海の風に吹かれたかのように軽やかな気分で、心躍った。
豊かで明るく、楽しい。
どういう心で作業に向き合ったのか、作品を観れば伝わる。
岡本太郎然り、ピカソ然り。
だから、感動する。
同時に、観る側の心の在り様によって、こうも違うのか、と驚いた。
こんな私でも、あの頃より多少成長があったという事だろうか?

窯に火を入れることを許されなかった戦時中、彼は多くの詩を書いている。

                                                        
 

  見えないもの 見える眼

  聞えないもの 聞ける耳

  知らないもの 知つて居るからだ   





      004_20150317163822637.jpg







おじさん力


赤瀬川原平展。

    029_20150202134506a19.jpg

   
興味深い、楽しく痛快な作品の数々。
ネオダダイズム、ニセ札裁判事件、『老人力』など、多才な芸術家。
いつも世間や政治の一歩先を、はたまたその向こうを見つめ、ユーモアと皮肉を効かせつつ、しかし確固たる哲学を持って取り組むそのエネルギーと仕事量に圧倒される。

それにしても、休日だというのに来場者は一癖ありそうなおじさんばかりで、若者はどこ行った?と。
町おこしでアートだなんだってお祭りは楽しいけれど、いつでも行ける美術館には行かない。
前にも書いたかもしれないが、都会の美術館へ行くと実に多くの老若男女が訪れ、楽しんでいることに驚かされる。
それほどまでに、我が地元は決定的に文化意識が低い。
ただ、だからといって、あんまり話題性や集客率ばかりが評価されては本末転倒。
美術館関係者のみなさま、どうかその辺り踏ん張っていただき、よろしくお願い致します。

そういえば、前に出会った男(理系、高学歴40歳)が、「美術館って何すんの? そんな人いんの?」 と言っていた。
います。
あなたが知らないだけで。
住む世界が違うというか、いっそ星が違うというか、思わず心でベテランキャディーのように 「ファー!」 と叫んだ。
あんまり芸術を声高に鼓舞する人ばかりでは、それはそれで窮屈だとは思うけれども、だからって何もそこまで異端視しなくても・・ と、ちょっと寂しく思ったものだった。


余談だが、会場で観る間、ずっと1人のおじさんが近くに居た。
鞄は何が入ってるのかガッサガッサいって、バッタバッタ靴音響かせて、鼻息はフンフン、とにかくものすごくうるさい。
私は、これも修行だわと心頭滅却に取り組むも惨敗、まるで集中できなくなった。
で、それならばと、ちょっと後帰って3分くらいの時間差を作ったわけだが、それが、そのおじさんは何を思い出したかガーっと戻って来て、で、またガッサガッサバッタバッタいって、アタシの時間差作戦は台無し。
それからはもう、作品鑑賞しつつおじさんも鑑賞することにした。
靴も鞄も高級そうな革製の、ちょっとデザインの凝ったセンスのいいもので、身なりもこぎれい。
白髪交じりの髭もきちんと整えている。
こういう人って動きも静かなもんだろうと思っていたので、意外だった。
“意外性” ってやっぱり、良くも悪くも人を引き付けるものなのだな。


湿気の問題とか色々あるのだろうが、美術館の床や壁って、音を吸収する素材に出来ないものだろうか。
靴を選ばなければならないのは案外面倒だし、何より落ち着かない。





夢のバルテュス


京都市美術館、『バルテュス展』 行って参りました。
すばらしかった!


・・と言いたいところだが、前日までのドタバタで疲れを引きずったまま乗り込んだためか、はたまた人が多すぎて各作品の前で大渋滞が発生していたためか、観覧中、ものすごい眠気と闘う羽目になった。
見知らぬ人に寄りかかってしまう前に列から抜け出し、椅子に座ったのだが、ここで横になったら怒られるだろうな・・と夢想しつつ、気付けば気を失っており、カックン!ハッ!となって目覚めた。
10分は寝ただろうか。
何しに京都まで来たんじゃ。

あくびしつつ (バルテュスさん、ごめん) 美術館を出ると、雨が降っており、やっと目が覚める。
通りの向かいにある国立近代美術館で 『うるしの近代展』 をやっていたので、こちらも観に。
かなり見応えがあり、肌に合うというか、やっぱり私は日本人なのね、と実感。
しかし展示数が多すぎて、途中で 「まだあんのかい」 と途方に暮れるほどだった。
いや、素晴らしかったですよ、ホントに。
何点か強奪したいほどに。

外へ出ると雨足が強くなっており、そのままホテルへ。
翌日は、チェックイン時のホテルのフロントのにいちゃんの 「残念ながら明日も雨です。」 の予言が外れ、蒸し暑い晴れの天気だった。
ホテルから歩いて、六角堂に寄り鳩と戯れ、建仁寺の天井いっぱいの双龍図、黄金の風神雷神図屏風を観て再び満足、祇園の御茶屋界隈で、ここは銀座か!というお値段の高級天然かき氷を食べる。
清水寺なども近く、町屋風情も楽しめる地域であったからだろうが、しかし、人が多すぎる。

慌ただしい、小旅行。
そして、帰りの車窓には、養命酒のCMの人みたいに、げんなりと疲れた女の顏が写るのであった。



        建仁寺 庭  建仁寺







見つめる


あるサイトで紹介されていた
西洋絵画において、500年間に描かれた女性たち


        

これ、くる
最後のピカソが反則的にいい


500 Years of Women in Western Art




瀬戸内国際ゲージツ祭


連休を使って、『瀬戸内国際芸術祭2013』 に行ってきた。


I❤湯   直島 『I❤湯』


2010年に行って以来、2度目。
ちなみにこの時、犬島でアラシの櫻井君に出くわしたのが私の人生の数少ない自慢話 (ショボい人生)

今年は芸術祭という事でマスコミの露出も高かったせいか、外国からのお客様はじめ、唐揚げとビール持ったおっちゃん、どう見ても芸術とは縁遠いギャルまで、とにかく全人種入り乱れてものすっごい人出。
もう、何もかも並んだ挙句、フェリーはのれねーしチケットとれねーしメシにもありつけねーみたいなカオス状態。
主要な美術館は時間指定予約を取っていたのですんなり観れたのだが、全ての行程が時間的に押してしまい、見逃した作品も多い。

常に、「巻きはいってまーす」 が合言葉、最終的に帰りの新幹線は改札からホームまで 「福男は俺だ!」 的に全速力で階段を駆け上がり、1分前に滑り込んだ。
なんであんなに階段多いの・・
自称 “元・ミス火事場の馬鹿力” の私も、さすがに寄る年波には勝てず、まあ足の上がらんこと・・。

とにかく、楽しかったが疲れました。


甲生
   せわしない人のことなど気にもかけず、穏やかな瀬戸内の海・・


そして、筋肉痛は数日後、みたいな。

個人的に、お薦めは、豊島の 『豊島美術館』 です。




Appendix

最新記事

プロフィール

こぐま

Author:こぐま
日常のこと、本、音楽のことなど
イラストをごくまれに描きます 
あやしいものではありません

QRコード

QR